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強弱記号って…

図1-1

 

生徒さんに

「ここに書いてあるf(フォルテ)ってどういう意味?」

と尋ねると大抵、

「強く。」

と答えてくれて、強く弾いてくれます。

 

しかし私は、これは半分正解・半分間違いだと思っています。

 

確かにf の意味は、強くです。強く弾きます。

間違いじゃありません。

でも、単に「音の強さ」だけではないんです。

 

作曲者は、広大な草原をf で表現したかったのかもしれないし、ぞうさんの行進かもしれないし、嵐で荒れる海かもしれないし、それとも怒りかもしれないし、苦しみかもしれないし… f でも色々な種類があると思います。

 

f に限らず強弱記号には、それぞれのキャラクターがあり、例えばfにはfの喜怒哀楽があって、pにはpの喜怒哀楽があります。

表現した結果として、音が強くなったり弱くなったりしているだけで、音を強くしたり弱くしたりすることが目的では無いです。

 

 

図1-2

 

クラシック音楽は再現芸術とよく呼ばれますが、作曲者の気持ちを考えて見て下さい。

 

作曲家は、何か表現したい気持ちや感情があったから強弱記号(表情記号)を書いた。

そう思うと、なんでここにf なんだ?

どうしたんだ作曲者は?

そもそもどんな思いでこの曲を作ったんだ?

というか、何才の時に作曲したんだ?

って、どこの国の人なんだろう?

え、いつの時代の人?

お母さん、お父さんはだれ?兄弟は?恋人いたの?

 

…気になってきませんか?(´⊙ω⊙`)

 

ちなみに私は、1曲の曲を仕上げるのに、作曲者について、その時代について、作曲者に関連する人物、その時代の他の芸術作品…などなど、曲を深く知るために何冊かの本を読んだり美術館に行ってみたり自然に触れてみたり、もちろん今の時代ですからネットも使います。

 

もちろん練習が一番大切ですが、それを考えることも曲を仕上げる上でとても大切なことです。

 

そうすれば、あのf が一味違う、色々な種類のf になって、曲のスケールが大きく深くなって、とっても今より魅力的な演奏になると思います。

 

ぜひ、なぜ?どうして?疑問に思って考えてみて下さいね(^ ^)

 

 

 

日比麻琴